【プチ感想】中山七里「能面検事の奮迅」(光文社)

 ひっさしぶりに更新。


本を読んでなかったとかでもなく1週間に1冊以上のペースでは読んでました。


が、いつもながらですが基本はビジネス書が多くて小説はあまり読んでないですかね。


ビジネス書は簡単に読めて全然身についてないので本当に読んでるだけ。まさしく意味ない読み方かも。なんて思いつつも1冊に数カ所はビビッとくる内容があるので、それだけでも読んでいる価値はあるなぁと思ってます。


自分の身になってないのは、その瞬間だけでその後にその教えが身になってないことですね。それはあまりよろしくない。そんなことを数十年前から思っていまだに何も変わってないので学習能力低すぎってことなんでしょう。


あ、気づくとまた与太話になってましたね。もうちょっとおもろいことと思いますが、基本仕事以外は本読んでいるかビデオ見ているか、ネットしているかくらいの人なので話題がないかー。



そんな中、大好きな中山七里さんの新作を読みましたよ。「能面検事の奮迅」


これはシリーズ2作目で最初の作品は「能面検事」という作品でした。能面検事が面白かったのでシリーズになればなぁ、と思っていたので喜ばしい2作目でした。


1作目は当然最初なので『能面』になった経緯含め、キャラについての説明が多く、それが普通に楽しかったですね。相棒の検察事務官とのコンビもちょうどいい感じで話自体も面白く押しの1作目でした。



そのため、楽しみに読んだ2作目「能面検事の奮迅」


今回は完全な長編になっており、話はどうなんだろうと最後まで相変わらず一気読みできます。


ネタ自体はちょい前に話題になった現実の事件をネタにしていますが、あくまでネタにしているだけで汚職等の結果については読んでのお楽しみになっています。


詳しくはネタバレになるので書きませんが、メインの二人について差し替えや贈賄を本当にやったのか、やってないのか、という謎解きも、後半に二人の関係性が出てからは一気に進んでいきます。


あぁ、そうなんやー。あぁ、動機自体はベタやなぁ~とは思って読んで終わるかと思ったら、得意の最後に『そっちか~』というちゃんと落とし所も作ってくれています。


中山七里さんは多作なのに話作りが本当にうまくていつもながら楽しく読んでます。


シリーズ化を心待ちにしていたので個人的には最後まで楽しく2日位で読んでしまいました。



1作目と比べると当たり前なんですが、キャラ設定が出来上がってしまっているので不破検事=能面検事の能面キャラについての楽しみが減っているのが残念ですね。


特に能面なので感情表現がないのでよりそれ以上の起伏がないのがつらいところ。その分、検索事務官である惣領事務官の感情が表に出るというキャラで引き立ててはいるんですが能面キャラがワンパターンに感じてしまいました。


どうしても能面キャラは人の魅力を出すという点では難しいのかな、ということはちょっと奮迅では思いました。


シリーズ自体は続いてほしいので、今後は能面検事の過去についてや関わりある人を通しての話の厚みになっていくのかなぁと勝手に妄想(「御子柴礼司」シリーズみたい感じで)しております。


能面というのはあまり万人受けはしないと思いますが3作目が出ることも期待。


能面検事の奮迅を読んでると1作目の内容を完全に忘れていたので、今丁度1作目の「能面検事」を読み返しています。やっぱり1作目のほうがキャラ確立のために不破検事についての記載が多い。当たり前ですが…。その分、2作目はストーリーに重点が置かれているので2作とも読むのが一番というのが結論ですね!


あ、肝心なこと書き忘れていました。「能面検事の奮迅」には重要登場人物として岬恭平検事(岬洋介シリーズの岬洋介の父親)がかなりの紙面出てきます。


岬恭平も不破検事も芯をもった検事として描かれているので、そこは読む側としては気持ちいいですね。これぞ小説の価値と思います。(現実はもっとシガラミだらけですので)



2021/8/15追記

「能面検事」再読しました。

いや、やっぱり1作目の能面検事のほうが圧倒的に面白かった。2作目は1つの事件に集中した長編ですが、1作目はいろんな話がてんこ盛り。不破検事の過去についてのエピソードとかもありますし、展開の速さとかも含めて面白かった。 だからこそシリーズにならないかなぁと思ったのを思い出しました。


2作目だけ読むと物足りない感は残るのでぜひセットでどうぞ。




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