タイトルからごついタイトルだなぁ、ということでどんな内容やねんと楽しみに読みました。
あ、ちなみに犬養隼人シリーズは「ドクター・デスの遺産」しか読んでないっす。なので、まだ犬養隼人にはそこまで思い入れは強くないんですが、前の「ドクター・デスの遺産」もなかなか重い内容でしたが、今回も重かったですね。
重いといっても読むしんどさはなくサクサク読めます。
あ、「ドクター・デスの遺産」の遺産は今年映画化されるようです。綾野剛さんと北川景子さんというなかなか個人的に好みな配役ですね。どう映画化で表現されるか楽しみです。11月公開予定とのことですが、その頃には映画が気にせず見れるようになってますかね。
映画館も再開されましたが、やはりバンバン行こうぜ!みたいには戻りませんね。なんか、テンションが人混みを避けるテンションになってしまってます。秋くらいにはマシになっているかと思いつつも、秋には別の問題などが出ているかもしれません。(コロナに限らず)
今年はずっと自分自身の新しい生活スタイルを模索する年になるかもしれません。
お、気づかずまた話がそれてましたね。
「カインの傲慢」ですが、カインはそのまま聖書のカインとアベルのカインです。
内容は最終章で開陳されていて、普通では理解し難い理屈なんだと思いますが、ちょっと聖書を読んだことある(かじった程度ですが)私個人としては、なかなか面白い理屈。
扱っている内容は日本ではずっと医療ミステリーなどでテーマとなる肝移植。そういう本を読んだことある人にはあるあるネタとなっています。
そうはいっても解決している内容じゃなく問題は変わらないだけに、今回読んでも考えさせられます。また、加えて「貧困」がテーマになっているのでその視点が強いのが今回の新鮮味でした。
とりあえずの解決と、その後の犯人逮捕(あー、具体的に書くと完全にネタバレ)までは、
読んでてストレートな進み方でした。途中で、出すぎだからこの人引っかかるなー、と思っていた人が『やっぱりなー』というのも納得の展開。
ただ、最後のエンドロールは、そう終わるのかー。でしたね。正直会わずに亡くなって終わるのかなと思っていたら、あ、そういうことなのね。と。
なかなか、考えさせるというか余韻を残して終わるんだなと。
正しいも正義も一つじゃないと今回の話も示してくれています。
こういう法や社会的正義ではくくれない話を中山七里さん描くの上手いですよね。本当にびっくりします。
面白く一気読みできる本でしたね。ありがとうございました。